
不妊症とはAbout
不妊症とはどのような症状を指すのでしょうか?
また、不妊症だとわかったら、どうすればいいのでしょうか?
- どんな状態を不妊症と呼ぶのか
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一般的には妊娠を望みながら1年間以上にわたって夫婦生活を営んでも妊娠できないケースを不妊症と呼んでいます。統計によると、避妊をしないで夫婦生活を営めば、約90%の人が自然に妊娠しています。しかし、どうしても残りの約10%のカップルが不妊症に当てはまることになります。
そして、女性の場合、30歳を超えると妊娠する確率(妊孕性)が毎年3.5%ずつ低下すると考えられています。たとえば、25歳と35歳の女性を比較すると、35歳の人が赤ちゃんを得る機会は25歳の人と比べると約半分になります。結果として結婚年齢が高くなるほど不妊症になる割合が高いといえます。
ちなみに、一度も妊娠したことのない人のケースを「原発性不妊症」と呼んでいます。また、妊娠・出産の経験はあるのにつぎの赤ちゃんが欲しくても妊娠できない人もいて、そういったケースを「続発性不妊症」と呼んでいます。
- なぜ不妊症になるのか
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女性が妊娠するためには、性交による射精から受精・着床にいたるまでのすべての条件が整っていなければなりません。その妊娠までのメカニズムを大まかに分けると妊娠のステップのような必要条件がありますが、その過程で1ヶ所でも異常や障害があれば妊娠は難しくなってきます。
ここで不妊原因となるいくつかの異常を例にとってみると、人によっては卵管が狭すぎて精子が泳いでいけなかったり、卵管そのものが詰まっているなどの異常がある場合があります。また、何らかの原因で卵巣の中にある卵胞が順調に育たないため排卵できないというケースもあります。一方、男性の場合は、精子をつくる機能に障害があったり、精子の通り道である精管に異常がある他、精子の数が少ない、動きが悪いなども不妊症の原因になります。
不妊症とは、これらの異常の1つまたは複数が相互に関係する疾患のため、実際の不妊治療の現場では、こうした異常をさまざまな検査を行って見つけ出し、患者さんそれぞれに合った治療を行っていきます。
- 不妊治療に必要な時間
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不妊治療は、女性の月経のサイクルや体調を考慮しながら、時間をかけて段階的に行う治療法です。
そのため、ほんの数週間や数ヶ月で完了する治療ではないことをまず理解しておいてください。
さて、不妊に悩むカップルが最初に受ける治療が「一般不妊治療」です。これは、従来から用いられている最も基本的な治療法で、統計によると2年または3年以内に約40~50%の人が妊娠しています。目安としては、一般不妊治療を開始して半年以内に19%、1年以内に30%、1年半以内に36%、2年以内に43%の人が妊娠しています。
残念ながらこの一般不妊治療で妊娠できなかった人に対しては、さらにつぎの段階の「生殖補助医療」が必要になります。医療技術の発達により生殖補助医療の分野が拡大し、これまではまったく手の施しようのなかったケースに対しても妊娠が可能になりました。